考えるだけ考えてボツにした話を供養する

『太平めいど』



天下のお膝元、江戸の町に、珍しげな二人組がいた。
年老いた『町医者』矢川宗山と、彼についてまわる『めいどさん』びくとりあ。
腰が曲がり小さな体躯の宗山、長身のびくとりあは、町の様々な事件を解決する。
争い事を収める彼らを、人々は侍の腰にあるそれに見立て『大小』と呼び、
二人は町の名物となっていた。


登場人物

・矢川宗山
武士にあらずして名字帯刀を許された町医者。
小柄で物柔らかなおじいちゃん。
頼りない印象であるが、一刀流の目録。
お人好しがすぎて町医者の領分ではないことにまで首を出す。

・矢川びくとりあ
とある事情で宗山に一生仕えることを誓った『めいどさん』。
長身で肌が白く瞳は青い、宗山の養子。
恵まれた体格からの馬鹿力で争い事を無理やり収める。
なぜかお江戸の常識をあまり知らない。